人生100年時代において、ストレスフリーかつ心身共に快活な状態を維持して、生涯現役で幸せな成功を実現するための学び・気付きの共有が、このサイト「生涯現役!名隠愛生の幸せな成功への道しるべ」の主たる目的です。
あなたが、自分自身と愛する人の人生を幸せな成功に導くために必要なこととして、「人の人生を破滅的な不幸と失敗に導くものに何があるか」という視点で考えてみることも大切になってくると思えます。
そこで、一人の人間の一生において、破滅的な不幸と失敗をさけるために、特に押さえておいた方がいいと思える、「たった1つの資質と3つの指針」に関して書き綴らせていただきます。
この記事を読んで下さるあなたとあなたの愛する方達の生涯が、「せめて、破滅的な不幸や失敗にだけに満ちたものにはなりませんように」との願いを込めながら、書き綴らせていただきたいと思います。
破滅的な不幸と失敗を避けるための資質~羞恥心
以前、『あなたの生涯を「不幸な失敗者」にしないために重要な3つのポイント』という記事で、「お酒」「お金」「異性」の3つに代表される、正常な判断力を狂わせる依存性・中毒性のあるものに対する注意が必要、という視点を書き綴らせていただきました。
重要なのは、「正常な判断力」を失わない、という点になります。そして、「正常な判断力を失わないために必要な人間の資質として何があるかを、一つにしぼって述べてみよ」と問われれば、私は「羞恥心」を挙げます。
「羞恥心」とは、「恥ずかしい」と思う気持ちです。それは、「人間として恥ずべき言動を取るのは避けたい」「後ろ指をさされるような人生は嫌だ」といった感情であり、これは「人間」という生物に埋め込まれた本能的な「道徳心」でもある、と思います。
“人間”としての“本能”を見失うことが原因となって、まるで、“動物”以上に醜悪な“けだもの”のような言動を取り続ける人生という結果が表れてしまいます。
あなたが、愛する人をも巻き込みながら、破滅的な不幸と失敗にだけ満ちた生涯を送ることを避けるために忘れてはならない、たった1つの資質として、「恥知らずな言動」を取らないための「羞恥心」がある、という視点に想いを巡らせてみていただきたいのです。
破滅的な不幸や失敗を避けるための3つのポイント~身・口・意
約2500年前に中国において活躍した孔子の教えに「己の欲せざる所、人に施すこと勿れ(おのれのほっせざるところ、ひとにほどこすことなかれ)」というものがあります。孔子と弟子たちの対話を遺したものとして「論語」という書物がありますが、この「論語」を心の支えとしている事業者・経営者・ビジネスマンが多いということは広く知られています。
子貢がおたずねしていった、「ひとことだけで一生おこなっていけるということがありましょうか。」先生はいわれた、「まあ恕(じょ)(思いやり)だね。自分の望まないことは人にしむけないことだ。」
単なる動物より高度な精神活動と頭脳活動を営める「人間」の本能に埋め込まれているものが「道徳心」であり、「思いやり」である、と私は考えています。そして、人間の本能である道徳心を養い高めるために埋め込まれている機能が「羞恥心」である、と思えるのです。
よくよく世間を観察してみると、一人の人間の人生を破滅的な不幸や失敗に導くのは、この「羞恥心の欠如」が原因となっているように見えるのです。
「羞恥心の欠如」によって、人は、自分が他の人からして欲しくない思考と言動を、他の人に対してしてしまった後に、後悔も罪悪感も、何も感じることができずにいる「ケダモノ」のような状態に成り下がってしまいます。
この「ケダモノ」のような思考と言動を繰り返し、続けてしまう状態が、破滅的な不幸や失敗にだけ満ちた人生、つまりが、絶対に同じ人生は歩みたくはないと思える不幸と失敗と挫折と苦悩にだけに満ち満ちた人生となってしまうのです。
人間は老若男女を問わず、誰もが不完全なところを抱える生き物です。聖人君子というわけではありません。だから、自分がして欲しくないことを他人にしてしまうことは、大なり小なり、誰にだって、何歳になっても、生涯を通じてあるものです。
「人間が一生おこなっていけることとは何か?」という弟子の問いかけに、孔子が答えた言葉を私なりに解釈すると以下のようになります。
「人間の本能である道徳心を、自分の望まないことを人にはしないという姿勢で磨き、生涯を通じて、羞恥心を忘れないようにすること」
大切なのは、「羞恥心」という、あなたの内なる「良心」に耳を傾けることを忘れずに、自分の行動と言葉と思考・・・つまりが、身(しん)・口(く)・意(い)の3つを調える意識を、生涯を通じて保つことだと思います。
この身・口・意の3つのポイントを調える意識を保つことが、正常な判断力を失い、破滅的な不幸と失敗だけに満ちた人生へと通じる「落とし穴」にはまり続ける状態を回避する、と言えるのではないでしょうか。
「身」を調えるための具体的指針~時間や約束を守る姿勢
「幸せな成功」、特に“経済的”な意味での成功においては、時間や約束を守ることが重要であることは周知の事実かと思えます。それは、全ての商取引は「信用」をもとに成り立っているからです。
単なる紙切れにすぎないものが、紙幣として使われるのは、そこに「信用」があるからです。ペーパーレス化の推進に伴い、紙幣という形をとらなくなったとしても、商取引の基本が「信用」にあることは絶対に変わることがないでしょう。
そして、一人の人間に対する「信用」の形成に関わってくるのが、やはり、時間や約束を守る姿勢を、その人が持っているかどうか、になってきます。
ここで一度、経済的な意味での幸せとも成功とも無縁であるだけではなく、経済的なものから切り離した要素(例えば、人間関係)においてさえも、不幸と失敗だけに満ちた人生を送ることになりそうな人の特徴を思い浮かべて下さい。
それは一言で言ってしまえば、「信用できない人間」という烙印(らくいん)を、拭い去れないくらいまでに押されてしまった人、ではないでしょうか?
どうしても時間や約束を守れない時は誰にでもあります。そして、人はみな、他人では理解できない特有の事情を大なり小なり抱えているものなので、時間や約束を守れなかった上に、その事情を理解されないことだってあると思います。
でも、仕方ないことは仕方ないこととはいえ、完全に開き直って、時間や約束を守れなかったことに対する「羞恥心」を完全に忘れてしまうと、それが、「信用できない人間」というレッテルを徐々に多くの人から貼られてしまうことになります。
その積み重ねられたレッテルが、自己イメージとして固定してしまうことで「ケダモノ」のような思考と行動を繰り返すことになる、と思えるのです。
自分自身の自己イメージを下げないためにも、時間や約束を守る姿勢と、守れなかった時に感じる「恥ずかしいことをしてしまった」「申し訳なかった」という気持ちを全く感じないような「羞恥心の欠如」の状態に自分が陥っていないかどうか・・・これを振り返る視点が大切だと考えます。
「口」を調えるための具体的指針~「飛ぶ鳥跡を濁さず」の姿勢
あなたの生涯を、特に”経済的”な意味で、破滅的な不幸と失敗から避けるために調える「口」の指針、つまりが「言葉」のあり方としては、どのようなものがあるでしょうか?
これは、特にビジネスにおいては、よく言われることですが、「立つ鳥跡を濁さず」「飛ぶ鳥跡を濁さず」という姿勢が大事になってくると思われます。
このことわざの意味は、「立ち去る者は、自分のいた場所を汚れたままにせず、きれいにしてから行くものだといういましめであり、また、引き際はきれいであるべき」という意味になります。
「中途採用の面接時、前の会社の退職理由などを応募者に聞いてみる。前職の批判ばかりを基軸に語る応募者は、入社しても同様の問題を訴える可能性が高い」という視点が、即戦力になる人材を見抜こうとする人事担当者が持つ、一つの視点・切り口として存在します。
つまり「立つ鳥跡を濁さず」「飛ぶ鳥跡を濁さず」という姿勢は、ビジネスにおいては、自分がかつて所属した会社・団体・組織に加え、かつて取引関係にあった会社や顧客などの批判をむやみやたらにしない、という「口」を調える姿勢に繋がると言えます。
人間ですので、プライベートで親しい人を相手に愚痴がこぼれることはあるでしょう。さらには、そもそも違法性・反社会性を帯びている会社組織や集団もありますので、立ち去った後に批判することの全てが間違っているというわけではないでしょう。
批判や中傷の言葉にどれだけの正当性があるかどうかは、「その先に創るべき未来を提示できるかどうか」と「創るべき未来のために、どれだけの責任感を持って、どのような行動をしているか」が指標になるでしょう。
それは結局、「今、ここで、批判・中傷しているあなた自身は、そこにいた時にどれだけ責任感を持って、そこで働いていたのですか?」「そもそも、そこに至る前にどれだけ自分自身の人生に対して責任を持って生きてきたのですか?」という問いかけが存在するからです。
どのような経緯であれ、自分自身がいっときでも身を置いた場所とそこで関わることになった、いかなる立場の人間のことであっても、その場を立ち去った後に、あれこれと批判・中傷することは、どのような理由があっても、あなたの人間性そのものに対する信用度に「?」が付けられることになります。
自分自身のことを棚に上げる比率の方が大きく、他人様の批判や中傷を繰り返し続ける姿は、まさに「羞恥心の欠如」した姿である、と言えます。
だからこそ、自身の言葉を調える指針として「飛ぶ鳥跡を濁さず」という姿勢を保つことが大切になってくると考えます。これは、特に、ビジネス上での破滅的な不幸や失敗を避けるためには、絶対に押さえておかなくてはいけないことの一つのように思えます。
「意」を調えるための具体的指針~「敬天愛人」の姿勢
「お天道様に恥じない生き方」や「ご先祖様に恥じない生き方」という表現が古くから存在し、今でも、こうした考え方が、人間を「羞恥心」が欠如した状態から守るために、有効に働く面が確実にあると思います。
もし、あなたが「お天道様」や「ご先祖様」というワードに馴染めないという場合には、「敬天愛人」という言葉に想いを馳せてみていただきたいと考えます。
「敬天愛人」とは、明治維新の立役者である西郷隆盛の言葉ですが、(よろしければ、『西郷隆盛に学ぶ生涯現役の道しるべ』という記事もご参照ください)この言葉を「意」、つまりがあなたの思考を調えるための指針とするのはいかがでしょうか?
この「敬天愛人」という言葉には、「先行きが分からない激動の時代にあっても、私自身の生涯において、羞恥心を忘れ去ったケダモノのような生き様をさらすことは絶対にしない」という西郷隆盛の意思が込められている、と私、名隠愛生には感じられるのです。
京セラの創業者、稲盛和夫氏は、京セラの社是(しゃぜ)として「敬天愛人」を掲げておられます。
稲盛和夫氏は語ります。
敬天愛人とは「西郷南洲翁遺訓」のなかにある言葉で、天は道理であり、道理を守ることが敬天である。また人は皆自分の同胞であり、仁の心をもって衆を愛することが愛人の意味である。また、京セラの社是でもある。
含蓄(がんちく)のあるお言葉です。私自身、正直、こうした精神性の高みを自らの人生とビジネスに、どこまで展開できているか、と問われれば、「まったく、ぜんぜん、まだまだ、です」と答えます(笑)
しかし、何と言っても、現代日本が誇る起業家であり経営者の一人であられる稲盛和夫氏の精神と哲学を示すものの一つが「敬天愛人」という言葉です。
だから、たとえ意味がよく分からなくても、この「敬天愛人」という言葉を「意」、つまりが「思考」の中に留めておくことは、経済的な意味での破滅的な不幸と失敗を回避する指針になることは間違いないと考えます。
まとめ
「生涯現役!破滅的な不幸と失敗だけは回避せよ!!~たった1つの資質と3つの指針~」と題しまして、人の人生を破滅的な不幸と失敗に導くものに「羞恥心の欠如」があることと、羞恥心を忘れ去った状態を続けるのを避けるために、「身」「口」「意」を調える3つの指針、を挙げさせていただきました。
「時間や約束を守る」という行動の指針、「飛ぶ鳥跡を濁さず」という言葉の在り方の指針、そして「敬天愛人」という思考の指針を、一生涯を通じて忘れずにいる意識を保つだけで、特に経済的・ビジネス的な面において、破滅的・致命的な不幸や失敗を回避する確率は上がると思えます。
私たちが立ち向かおうとする人生100年時代は、テクノロジーの進化だけに限ってみても、すさまじい速度で変化している激流の時代です。
その中で、この記事を読んで下さったあなたが、せめて、破滅的な不幸や失敗だけに満ちた生涯を送ることだけは回避するという手堅い視点を保ちつつも、あなたの愛する人と共に生涯現役で味わえる、あなた独自の幸せな成功を追求していただきたい、と強く願っております。
お読みいただき、ありがとうございました。
引用元:
金谷治訳注「論語」(1963年「株式会社 岩波書店」発行)p.315
稲盛和夫著「敬天愛人」(1997年「PHP研究所」発行)p.16