ジェームズ・アレンは語ります。
もし富が不道徳の原因であり、貧困が堕落の原因であるなら、すべての金持ちは不道徳になり、貧しい人は堕落しているということになるでしょう。
悪い行いをする人は、どんな環境においても、悪さをするものです。金持ちであるとか、そうでないとかは関係がないのです。良い行いをする人もまた、どのような状況下にあっても良いことをします。
生涯現役で幸せな成功を目指す以上、必然的に向き合うことになるものの一つが、「お金」の問題です。
ジェームズ・アレンの言葉に耳を傾けながら、「生涯現役で幸せな成功者として生きるためのお金の考え方」をテーマに書き綴らせて頂きます。
貧困は、財布の中ではなく、心の中にある!?
幸せな成功者は間違いなくお金と時間の使い方を整えています。
彼らの時間についての考え方の筆頭に来るのが「今に生きる」だとすれば、お金についての考え方の筆頭にはどのようなものが来るのでしょうか。
彼らはお金を「エネルギー」として捉えていると私には思えます。
ジェームズ・アレンはこう語ります。
自分の経済状況に不服であることと貧困であることは違います。
人は悩みの種が貧困であると考えますが、本当の問題は強欲さにあるのです。
彼らは貧困によって不幸せなのではなく、富への渇望によって不幸せになっているのです。
貧困は多くの場合、財布の中ではなく、心の中にあります。
こんな経験はありませんか?
大人になり、ある程度お金を自由に使えるようになって、小さい頃では考えられなかった食事をしてみた。おいしい。けど、小さい頃、初めて食べたカツ丼の方がおいしかったなぁ、あの時の感動は忘れられない、といった経験です。
「貧困が多くの場合、財布の中ではなく、心の中にある」ということは、裏を返せば、富や豊かさもまた、多くの場合、財布の中ではなく、心の中にある、ということです。
「貧困によって不幸せなのではなく、富への渇望によって不幸せになっている」というのは、なかなか心から納得できるものではないかもしれません。現在進行形でお金の問題と向き合っている人にとっては、イラっとくるというのも正直なところではないでしょうか(笑)私、名隠愛生には、それがよく分かります(笑)
ただ、それでも、やはり、自分自身のささやかな体験を振り返ってみても、ジェームズ・アレンの言葉の真実味を感じないではいられないのです。
感動や感激は、確かに財布の中身に関係なく訪れるという事実
あの時、食べた高級でも何でもないあの料理ほど美味しかったものはない・・・成功者の話を聞いていると、けっこう、こうしたエピソードに似た話をされることがあります。
「貧困は多くの場合、財布の中ではなく、心の中にある」という言葉を考えてみる時、こうしたエピソードトークが自分自身の経験と共によみがえってきます。
確かに、感動や感激というものは、財布の状況に関係なく訪れる面があり、その感動や感激の中にある時、人はものすごく豊かで満ち足りた気持ちになります。幸せだなぁ、と笑顔がこぼれています。
成功者の方々は、誰よりもこうした経験を積んでいるのかもしれないな、と思うのです。
自由にお金をたくさん使えるようになって、豪華な料理を堪能し、魅力的な異性とも交流し、色々な場所に旅行もしてみて、大いに楽しんだ。けれど、別にそれだけが、自分の人生にとって一番の喜びかというと、全くそうでもない。結局、自分自身が夢中になってエネルギッシュに活動している、その時こそ最も喜びに満ちている、と。
それは、本人が自覚しているかどうかはともかくとして、経済状態に関係なく、いつだって、「喜び」に意識が向いている精神状態にいるからだと思えます。いつだって、どんな状況にあっても、感動や感激による喜びの方に、より強く意識が向いているからこそ、成功者と呼ばれる方々は、たとえ貧困の中にあっても、貧困を乗り越える前向きな思考と意欲的な行動を取れるのではないでしょうか。
お金の本質はエネルギー
成功者が自分自身の本当の喜びの源泉に目を向け、意欲に満ちたエネルギッシュな活動が、結果としてお金をもたらしていることを明確に知った時、彼らはお金を一種の「エネルギー」として捉えるのだと思います。
ところで、映画や小説、ドラマなどでお金持ちを傲慢で強欲で憎らしい存在として描くものが多くあります。しかし、幸せな成功者はこうした偏見から完全に自由になっています。なぜなら、彼らはお金をエネルギーとして捉えると同時に、自他共に、幸せと喜びをもたらすものとして、肯定的に積極的に意欲的に活用するからです。
エネルギーはそれ自体、道徳的な善悪の性質を持ち合わせません。
例えば、核エネルギーは、ある時には人々の生活を便利に豊かにするものとして使われ、ある時には人の命を奪う爆弾として使われます。
お金も同じです。いかに活用するか、それが、その人自身を幸福にする種になるか不幸にする種になるかの分かれ道です。
だからこそ、幸せな成功を手にした方々はお金の使い方を整えています。それぞれの具体的な使い方は各々違うでしょうが、間違いなく、お金の使い方にマイルールを定めています。ポリシーを持っています。
もし、あなたが、お金持ちを傲慢で強欲で憎らしい存在として捉えているのならば、お金に対する偏見があなたの中にあることを示しています。
お金に対する偏見を捨て去ることが、幸せな成功への道しるべ
成功者は自覚の有無に関わらず、お金をエネルギーとして捉えることに成功しています。そして、幸せな成功者はお金に対する偏見を完全に捨て去り、お金の持つエネルギーのより良い活用法に目覚めます。
ジェームズ・アレンは語ります。
もし富が不道徳の原因であり、貧困が堕落の原因であるなら、すべての金持ちは不道徳になり、貧しい人は堕落しているということになるでしょう。
悪い行いをする人は、どんな環境においても、悪さをするものです。金持ちであるとか、そうでないとかは関係がないのです。良い行いをする人もまた、どのような状況下にあっても良いことをします。
幸せな成功を目指すのであれば、絶対にお金に対する歪んだ偏見を壊さなくてはいけません。もし、あなたが私と同じく幸せな成功を目指す途上にあるのなら、お金に対する意識を変えてみて下さい。あなたが目指す幸せな成功者は、お金をどのように捉え、どのように使い方を整えているのかを学んでみて下さい。
少なくとも、彼らは、お金持ちは悪人であり、お金儲けは悪である、という考え方はしていないと気付くはずです。そして、幸せな成功者は、お金持ちでさえ、お金に対する偏見から自由になれずにいる人もいる、という現実をメッセージとして残していることにも、気付くはずです。
生涯現役で幸せな成功を手にするために、お金のエネルギーの方向性を整えよう!!
お金に対する偏見から自由になることが、あなたやあなたの家族を幸せな成功に導きます。お金に対する偏見から自由になるためには、お金の本質を「エネルギー」として捉えてみることから始めてみましょう。そして、生涯現役で心身共に健康かつ豊かな人生を築くために、そのエネルギーに方向性を与えてみましょう。
「お金の本質は○○のエネルギー」として、この「○○」にどのような単語を、あなたは入れますか?この「○○」にどのような単語をあなた自身が入れたいと思えるか、それを自問自答することが、あなたのお金に対する偏見を壊す道しるべとなり、お金の使い方を整える指針になってくれます。
「お金の本質は信用のエネルギー」「お金の本質は自由をもたらすエネルギー」「お金の本質は可能性を広げるエネルギー」「お金の本質は人に笑顔をもたらすエネルギー」・・・こうして書き綴っていくと、「職業に貴賤(きせん)はない」と言われる意味がよく分かってきます。
私自身は、幸せな成功者の方々のお金に対する考え方を学んだ結果、「お金の本質は感謝のエネルギー」と捉えています。あるいは、そう捉えるように意識している、と言うべきでしょうか。まだ、私自身が幸せな成功者になる途上にいるのですから(笑)
「ありがとう」という言葉は「有り難し」という言葉に由来します。感動や感激にこそより強く意識を向ける生き様は、何でもない日常の些細な喜びを「有り難いこと」として感謝する精神的態度を深め続けます。人生の途上で出会う感動や感激に感謝の姿勢を示し続けることによって、この世界が潜在的に内包している無限の豊かさは、それぞれの人の人生に惜しみなく、さらなる感動や感激による喜びを味わう機会をもたらしてくれます。幸せな成功者の方々に学ぶ私、名隠愛生には、そのように見えるのです。
まとめ
「生涯現役で幸せな成功者として生きるためのお金の考え方」をテーマに、ジェームズ・アレンの言葉を参考にしながら、書き綴らせて頂きました。私、名隠愛生が、はっきりと断言できるのは、幸せな成功者は、お金に対する偏見から完全に自由になっていて、お金の本質に対する洞察が通常の人とは違う、ということです。
生涯現役で幸せな成功者として生きようとする方々が、心身共に健康かつ豊かな人生を築く上で、何らかの参考になればすごく嬉しく思います。
お読み頂き、ありがとうございました。
引用元:
ジェームズ・アレン著「ジェームズ・アレン全一冊」(2015年「株式会社KADOKAWA」発行)p.169