ジェームズ・アレンは語ります。
穏やかな人の心は、静まり返った湖面に似ています。
人生や人生の出来事をありのままに映し出します。
荒れた心は、波打つ湖面のようにあらゆる出来事を歪めて映し出します。
自己を制御する人は、自分の内側を覗きこんで、宇宙が正確に反映されていることを見出します。
私、名隠愛生の目線で幸せな成功者として目に映る方々の特徴として挙げられるものの一つに、「穏やかさ」があります。ジェームズ・アレンは「静まり返った湖面」と表現していますが、言い得て妙だな、と本当に思います。
「幸せな成功者の穏やかさの持つ力」について、書き綴らせて頂きます。
幸せな成功者の特徴:穏やかさ
なぜ私が「幸せな」「成功」とわざわざ表現するのかは、察して頂けるものがあると思います。
「幸せ」は、それ自体が喜ばしく望ましい精神の状態で環境や条件などに左右されない面があると思いますが、病気や経済的貧しさ、家族との軋轢に、明らかに苦しんでいる状態の人が「私、幸せです」と言っているとしたら、私は首を傾げます。
「成功」も、結局のところは人それぞれの定義が存在するものと思えますが、例えば、お金、権力、名誉などあらゆるものを手にしているかのように見える「成功者」と呼ばれる人々の中には、幸せを感じているようには見えない人もいます。
なので、このサイトでは、「幸せな成功」というテーマでの学びの共有という形で書き綴らせて頂きます。
私目線で幸せな成功を実現されている方々の特徴の一つとして、「穏やかさ」があります。
穏やかな物腰や言動には、不思議な強さがあります。怒り狂っている状態の人、支離滅裂で混乱状態にある人も、幸せな成功者の穏やかさに触れると、なぜか静まり、落ち着きを取り戻すという現象を見受けることがあります。
荒れ狂う嵐が通り過ぎる時に感じられる安堵に近いものを、彼らは接する人々の心にもたらします。彼らの気取らず、気負わず、偽らない、自然体の姿の奥には、絶えざる自己鍛錬・自己改善に基づく深い洞察力と共感力があり、不思議な力強さを発揮しています。
卓越したセルフコントロール~穏やかな人の持つ不思議な強さの源
彼らの不思議な強さの源は何かと考えることがあります。
弱い犬ほどよく吠える、とも言いますが、乱れた言動は自分自身をコントロールする力の弱さを表します。
得意の時に、おごり高ぶり景気の良い言動を繰り返し、失意の時に、被害者意識でわめき散らす姿は、大なり小なり私自身を含めて観察される人の姿ではありますが、自分の思考と言動を制御できていない姿です。
穏やかな人の持つ不思議な強さとは、卓越したセルフコントロールにあることが分かります。
自分の思考と言動を制御し、自分自身の弱さを克服できる強さを身に付けた方が、様々なシチュエーションで遭遇する、自らを十分にコントロールすることができない弱さを示す人を安心させ、慰め、鼓舞する強い感化力を発揮します。
しかも、不思議なのは他の人に強い感化力を発揮している、まさにその時に、ご本人自身が、人知れず、試練というか、困難を抱えているケースも多々見受けられることです。病気や経済的貧しさ、家族との軋轢に、明らかに苦しんでいる状態の人が「私、幸せです」と語る時に感じるものとの違いは、その表情や態度に苦悩の影が見えない点です。
たとえ、それが言葉の上だけであっても、「私は幸せ者です」と言える人は、立派な方であると思えますし、私自身、それに似た言動を取れることはあります。ただ、幸せな成功者の示す、圧倒的な穏やかさと、不思議な力強さを目の当たりにすると、卓越したセルフコントロールを思わずにはいられないのです。
穏やかさの効用:健やかな活力に満ちた状態で目覚める
ジェームズ・アレンは語ります。
人は、穏やかになればなるほど、より大きな成功、より大きな影響力、より大きな善の力を手にすることができます。・・・
というのも、人はつねに、確固たる落ち着きを持った物腰の人と付き合いたいと思うものだからです。
怒りなどの激しい感情のエネルギーが成功への意欲と原動力になることは確かにあります。
今、私の目に幸せな成功者として映る方々も、その出発点においては激しい感情のエネルギーを利用していることが多いように思われます。しかし、生涯現役で幸せな成功を目指すとき、私は、彼らの穏やかさに宿る安定的で持続的な力強さにこそ、学ぶべきことの多くがあると考えます。
彼らは、いちいち多くを語りませんが、明らかに自分の思考と行動を常にチェックする習慣を身に付けています。
彼らの穏やかな心は、日々の自己修練の積み重ねによって生じています。
人目を気にすることなく、ただ黙々と自分自身と向き合い、思考と行動を整え続ける日々の積み重ねが、彼らの今日という一日に健やかな活力をもたらします。健やかな活力に満ちた状態で目覚めた朝は、心に穏やかさが満ちている証拠です。
ほとんどの人が嫌々こなしている毎日の義務も、健やかな活力に満ちた状態で目覚める人にとっては喜びに変わります。
義務と幸せの一致~不安と焦燥に駆られた心に平静と安らぎを取り戻す
ジェームズ・アレンは語ります。
穏やかな人の心は、静まり返った湖面に似ています。
人生や人生の出来事をありのままに映し出します。
荒れた心は、波打つ湖面のようにあらゆる出来事を歪めて映し出します。
自己を制御する人は、自分の内側を覗きこんで、宇宙が正確に反映されていることを見出します。
穏やかな人間は静かに澄み切った湖面のような心で、自分の人生はもとより、あらゆる人々の人生とそれらが織り重なり作られるこの世界の姿を、ありのままに見ることができます。
彼らにとって、今日果たすべき義務は、自らの幸せを奪うものとしてではなく、自らに幸せをもたらしてくれるものとして、目に映るのです。
一時的な快楽や興奮を追求する荒れた心には、自分の人生も、共に生きる人々も、この世界の姿も、あらゆるものが歪んで映るため、義務と幸せが一致しないのです。
同じことを繰り返す平凡な毎日、飽き飽きする退屈な毎日に、多くの人は、漠然とした不安を覚え、一時的な快楽や興奮を求めずにはいられません。
他人の所有物や経験・体験に目が向いてしまい、彼らと同じ経験を積み、同じものを所有すれば、目の前の平凡で退屈な毎日が変わるのではないかと錯覚してしまいます。結果、自覚の有無に関わらず、いつも欠乏感と焦燥感に駆られて、落ち着きを失い、一段強い刺激的な何かを求め、時として、自らが果たすべき義務を見失うことがあります。
幸せな成功者は卓越したセルフコントロールを、自らの思考と行動の両面において改善を繰り返すことで養い、穏やかさという、不思議な力を、昨日と変わらないようにも見える今日においても、発揮し続けます。
穏やかさの持つ力とは、自他共に、不安と焦燥に駆られた心に、平静と安らぎを取り戻させ、落ち着きと安心をもたらすことによって、義務と幸せを一致させる行動に導くと言えるでしょう。
幸せな成功者の穏やかさの持つ力
幸せな成功者の多くは、地に足をつけた手堅い生き方をしています。生涯現役で、心身共にストレスフリーで活力に満ちた人生を手にしようとするのであれば、健康、お金、人間関係といったことに、問題をできるだけ抱えないようにすることが大事です。
「地に足をつけた手堅い生き方」とは、義務と幸せを切り離すことなく、一致させた生き方であるとも言えないでしょうか?そして、健康やお金、人間関係に問題を抱える状況というのは、たいてい、欠乏感、焦燥感、不安感に駆られ、義務と幸せを切り離した無軌道な言動を改めることなく取り続けた結果であると言えないでしょうか?
幸せな成功者とて、この世界で目にする全ての事象の因果関係を完全に把握しているわけではないと思います。しかし、彼らは、人生のどこかで、自分と自らが愛する人々の人生を幸せな成功に導く「原因と結果の法則」の働きを明確に自覚します。
この世界で生まれるあらゆる事象の因果関係を完全に知ることはできないとはいえ、自分自身と愛する人々の人生を幸せや成功に導くための「原因と結果の法則」の働きを明確に自覚するからこそ、自分が完全に自由にコントロールできる唯一のものとして、自らの思考と行動の改善を繰り返します。
こうして磨き上げられた卓越したセルフコントロールが、健やかな活力に満ちた状態で目覚める朝をもたらし、今日一日の果たすべき義務への専念が、他の人々へも幸せと喜びをもたらすという、不思議な強さを示す、幸せな成功者の穏やかさの持つ力であると思えます。
まとめ
『ジェームズ・アレンに学ぶ!生涯現役で幸せな成功者になるための指針』という記事において、幸せな成功者になるために押さえておかなければならないと思えることの一つに自らの内面の平静と安らぎがある、と述べさせて頂きました。
この「内面の平静と安らぎ」がある姿が、幸せな成功者の穏やかな姿として現れ、同時に、穏やかさが持つ力が、他者へも内面の平静と安らぎを広げると言えるのかもしれません。
私、名隠愛生は、生涯現役で幸せな成功を目指す上で、穏やかさの持つ不思議な力強さを、軽視することなく、幸せな成功者の卓越したセルフコントロールを少しでも、身に付けていこうと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
引用元:
ジェームズ・アレン著「ジェームズ・アレン全一冊」(2015年「株式会社KADOKAWA」発行)p.28,p.29,p.150