「人生を変えたい」
そう思ったことはありませんか。
今の仕事を変えたい。
人間関係を変えたい。
もっと自信を持ちたい。
毎日をもっと充実させたい。
これからの人生を、今までとは違うものにしたい。
そんな思いを持つ人は、少なくないでしょう。
でも、いざ人生を変えようとすると、何から始めればいいのか分からなくなることがあります。
仕事を変えるべきなのか。
住む場所を変えるべきなのか。
付き合う人を変えるべきなのか。
生活習慣を変えるべきなのか。
いろいろ考えているうちに、「結局、何をすればいいのだろう」と迷ってしまいます。
そんなとき、ジェームズ・アレンの言葉は、一つの大切な視点を与えてくれます。
それは、人生を変えたいなら、まず自分の「思い」に目を向けてみるということです。
アレンは、次のように語っています。
「あなたの大部分を占める心のあり方は、思いから成っており、人生の状況を決定するものであります。
同時にそれは、知識やその習熟度を測る物差しでもあります。
いわゆる自分自身の限界は、思いが引いた境界線です。
それは自分がめぐらせた塀なので、狭めることも、広げることも、またはそのままにしておくことも自分次第です。
思いの作り手はあなたなので、自分自身や状況の作り手もあなたなのです。
思いはあらゆる物事の原因となる創造的なものであり、結果という形であなたの人格や人生に現れます。」
これは、「考えれば何でも願いどおりになる」という単純な話ではありません。
人生には、自分では決められないこともあります。
しかし、自分が何を考え、何を信じ、何を大切にし、そこからどんな行動をするのか。
そこには、自分で選べる部分があります。
そして、その小さな選択が、長い時間をかけて人生を形づくっていきます。
この記事では、アレンの言葉と今回の対話をもとに、人生を変えたいけれど、何から始めればいいのか分からない人が、
「思い」から人生を見直す方法について考えてみます。
人生を変えたいなら、まず「今、自分は何を考えているのか?」を見る
人生を変えたいと思ったとき、多くの人は外側から変えようとします。
仕事を変える。
引っ越す。
人間関係を変える。
新しいことを始める。
もちろん、それが必要な場合もあります。
しかし、その前に一つ確認しておきたいことがあります。
それは、
「私は普段、何を考えているのだろう?」
ということです。
私たちは、思っている以上にたくさんのことを考えています。
朝起きれば、
「今日は仕事に行きたくないな」
と思うかもしれません。
誰かからメールが来れば、
「また面倒なことを頼まれるのではないか」
と考えるかもしれません。
失敗すると、
「やっぱり自分には無理だ」
と思うかもしれません。
人から嫌なことを言われれば、その言葉を何度も思い出すかもしれません。
まだ起きていない未来のことを心配することもあります。
こうした思考は、一つ一つを見ると、それほど大きなものではありません。
「そんなことを考えるくらい、誰にでもあることだ」
と思うでしょう。
しかし、ここでアレンの言葉を思い出してみましょう。
思いは、人生の原因になる。
そう考えるなら、毎日何気なく繰り返している思考も、決してどうでもいいものではありません。
一度だけ「自分には無理だ」と思ったからといって、それだけで人生が決まるわけではありません。
けれども、それを毎日、何度も繰り返していたらどうでしょう。
「自分には無理だ」と思う。
だから挑戦しない。
挑戦しないから経験が増えない。
経験が増えないから、自信がつかない。
そして、
「やっぱり自分には無理だ」
と思う。
このように、
思いが行動を生み、その行動がまた思いを強くする
という循環が起こります。
だからこそ、人生を変える最初の一歩は、案外小さいのかもしれません。
何か大きなことを始める前に、
「今、自分は何を考えているのだろう?」
と、ときどき立ち止まってみるのです。
それだけでも、自分の人生を見つめる目が変わってきます。
「自分には無理」という思いが、自分の限界をつくっているかもしれない
アレンの言葉の中でも、とても印象的なのが、
「いわゆる自分自身の限界は、思いが引いた境界線です。」
という部分です。
「境界線」とは、ここから先には行かないと決める線のことです。
たとえば、広い野原に線が引かれていて、
「ここから先には入ってはいけません」
と言われたら、その線の内側で行動するでしょう。
アレンは、人間の心にも同じような境界線ができると言っています。
「自分にはできない」
「もう年だから無理だ」
「自分には才能がない」
「人付き合いが苦手だから仕方がない」
「失敗したから、もう挑戦したくない」
このような思いが、自分の中に見えない線を引いてしまうことがあります。
そして、その線の内側だけで生きるようになります。
でも、その境界線は、本当の限界なのでしょうか。
アレンは、
「それは自分がめぐらせた塀なので、狭めることも、広げることも、またはそのままにしておくことも自分次第です。」
と言っています。
もちろん、人間には現実の限界があります。
年齢によってできることは変わります。
体力にも限界があります。
時間やお金にも限りがあります。
他人の心を自由に動かすこともできません。
ですから、「思えば何でもできる」という意味ではありません。
それでも、
「自分には何ができるのか」
について、自分で早く決めすぎていないか。
ここは考えてみる価値があります。
たとえば、
「できる」
と確信できなくても、
「できるかもしれない」
と思えたらどうでしょう。
「できるかもしれない」と思う。
すると、
「どうすればできるだろう?」
と考え始めます。
方法を探します。
人に聞きます。
練習します。
小さく試します。
失敗したら、やり方を変えます。
つまり、
「できるかもしれない」という思いが、行動の入口になるのです。
反対に、
「絶対に無理だ」
と思っていたら、方法を探すことさえしないかもしれません。
だから、「可能だと思うこと」は、成功を保証するものではありません。
しかし、行動する可能性を開く力があります。
これは、とても大切なことです。
思いは「行動」を生み、行動は「人生」を少しずつ変えていく
思いの力について考えるとき、忘れてはいけないことがあります。
それは、
思いだけで人生が変わるわけではない
ということです。
「自分はできる」と思っているだけで、何もしなければ何も変わりません。
大切なのは、
思いが行動につながること
です。
たとえば、「もっと健康になりたい」と思ったとします。
その思いから、
「今日は少し歩いてみよう」
という行動が生まれる。
それを続ける。
すると、それが習慣になる。
習慣が変わると、生活の状態も少しずつ変わります。
「人に優しくなりたい」と思った場合も同じです。
その思いから、
「今日は相手の話を最後まで聞いてみよう」
と行動する。
それを繰り返していく。
すると、少しずつ人との接し方が変わっていきます。
このように、
思い → 選択 → 行動 → 習慣 → 人格 → 人生
という流れができます。
思いは目に見えません。
けれども、行動を通して外側に現れます。
そして、行動を続ければ習慣になります。
習慣は、その人の人格の一部になっていきます。
その人格が、人間関係や仕事への向き合い方、困難への対応の仕方などに現れます。
だからこそ、アレンは、
「思いはあらゆる物事の原因となる創造的なものであり、結果という形であなたの人格や人生に現れます。」
と語ったのでしょう。
これは、
「思いが魔法のように現実を作る」
という話ではありません。
そうではなく、
「思いが行動の原因となり、その行動が時間をかけて人生の形をつくっていく」
ということです。
私たちは普段、結果ばかりを見ます。
「今の自分はどうなっているのか」
「なぜ自分はこんな状況なのか」
「どうしたら人生を変えられるのか」
と考えます。
しかしアレンは、その前に、
「その結果を生み出している原因は何だろう?」
と問いかけているのです。
そして、その原因の一つとして「思い」に目を向ける。
ここに、人生を変えるための大切なヒントがあります。
「人生を変えたい。でも、何から始めればいいのか分からない」
そんなときは、いきなり人生全体を変えようとしなくてもいいのです。
まず、
「今、自分は何を考えているのだろう?」
と気づく。
次に、
「この思いを持ち続けたら、自分はどんな行動をするだろう?」
と考える。
そして、
「私は、本当はどんな思いを育てたいのだろう?」
と問い直す。
人生を変える第一歩は、案外ここから始まるのかもしれません。
「今、自分は何を考えているのだろう?」と考え、思いを訓練する
ここまで読んで、
「思いが人生をつくるのなら、良いことを考え続ければいいのだろうか?」
と思うかもしれません。
しかし、そう簡単ではありません。
私たちは、いつも自分の思いを自由に選んでいるわけではないからです。
嫌なことがあれば、腹が立ちます。
失敗すれば、不安になります。
人から否定されれば、落ち込みます。
将来のことを考えれば、心配になることもあります。
だから、
「悪いことを考えてはいけない」
と自分を厳しく監視する必要はありません。
大切なのは、まず自分が何を考えているのかに気づくことです。
たとえば、一日の中で何度か、
「今、自分は何を考えているのだろう?」
と立ち止まってみます。
「仕事のことを心配しているな」
「さっき言われたことをまだ気にしているな」
「失敗するのが怖いと思っているな」
「自分には無理だと思っているな」
と気づくだけでいいのです。
気づいたからといって、すぐに思いを変える必要はありません。
まずは、
「私は今、こういうことを考えている」
と知る。
これが、思いを自分で扱うための出発点になります。
なぜなら、気づいていない思いは、自分を知らないうちに動かしてしまうからです。
反対に、気づくことができれば、
「このまま、この思いを続けていいのだろうか?」
と考えられます。
ここに、自分で選ぶ力が生まれます。
もう一つ大切なのは、何度も繰り返している思いに気づくことです。
一度だけ浮かんだ思いよりも、毎日、何度も考えていることのほうが、私たちの心に強く影響します。
「どうせ無理」
「自分なんてダメだ」
「あの人は許せない」
「失敗したら終わりだ」
「もう年だから遅い」
こうした言葉を心の中で何度も繰り返しているなら、
それは少しずつ自分の心の習慣になっているかもしれません。
だから、こんな問いを持ってみましょう。
「私は、どんな思いを毎日育てているのだろう?」
この問いは、自分を責めるためのものではありません。
自分を知るための問いです。
そして、もう一つ。
「この思いを10年続けたら、私はどんな人間になるだろう?」
と考えてみる。
「自分には無理」という思いを10年間育てた自分と、
「できるかもしれない。まずやってみよう」という思いを10年間育てた自分。
同じ人生になるでしょうか。
おそらく違ってくるでしょう。
だからこそ、今日どんな思いを育てるかが大切なのです。
人生を変える思いは「選び、育て、行動する」ことで身につく
では、実際にどのように思いを育てていけばいいのでしょうか。
特別なことをする必要はありません。
大切なのは、
気づく → 選ぶ → 育てる → 行動する
という流れを繰り返すことです。
まず、気づきます。
「今、自分は何を考えているのだろう?」
次に、その思いを見ます。
「この思いを続けたら、自分はどんな方向へ進むだろう?」
そして、必要なら別の思いを選びます。
たとえば、
「自分には無理」
と思っていたとします。
それを、
「難しい。でも、できる方法があるかもしれない」
に変えてみる。
これは無理に自信を持つことではありません。
「絶対にできる」と思い込む必要もありません。
ただ、
「できるかもしれない」
という可能性を残すのです。
すると、
「では、何ができるだろう?」
と考えられるようになります。
そして、小さな行動を始めます。
調べる。
人に聞く。
練習する。
一度試してみる。
失敗したら、やり方を変える。
ここで初めて、思いが現実の世界に働き始めます。
たとえば、「人間関係をよくしたい」と思ったとしましょう。
いきなり「すべての人と仲良くする」のは難しいでしょう。
そこで、
「今日は相手の話を最後まで聞いてみよう」
と決める。
それだけでもいいのです。
「もっと誠実な人になりたい」と思ったなら、
「今日は小さなことでも、うそをつかないようにしよう」
とする。
「もっと穏やかになりたい」と思ったなら、
「腹が立ったとき、一度深呼吸してから話そう」
とする。
このように、思いを小さな行動に変えていきます。
すると、
思い → 行動 → 経験 → 習慣
という流れができます。
そして習慣が積み重なると、少しずつ人格が変わっていきます。
これこそ、アレンが言う「思いが人格や人生に結果として現れる」ということではないでしょうか。
思いは「現実逃避」ではなく、「原因をつくる力」
ここで一つ、大切なことがあります。
「思いの力」という言葉を、
「強く願えば、何でも実現する」
という意味にしてはいけません。
人生には、自分ではどうにもできないことがあります。
病気になることもあります。
他人に傷つけられることもあります。
努力しても結果が出ないこともあります。
社会や環境の影響を受けることもあります。
だから、
「苦しい状況になったのは、あなたの思いが悪かったからだ」
と考えるのは違います。
アレンの言葉を、自分を責める道具にしてはいけません。
むしろ、思いの力をもっと現実的に考えることが大切です。
思いは、現実を直接、魔法のように変えるものではありません。
しかし、
思いは、自分の選択や行動を変える原因になる。
そして、
自分の思考や心の状態が、選択・行動・習慣・人間関係などを通して、
少しずつ外側の人生を形づくいていく。
だからこそ、思いを整える意味があります。
外側のすべてを自由に変えられなくても、自分の内側には選べる部分がある。
そこから、できることを始める。
これは、苦しい状況にいる人にとっても、大きな意味を持つのではないでしょうか。
「思いの作り手はあなた」という言葉を、希望として読む
アレンは、
「思いの作り手はあなたなので、自分自身や状況の作り手もあなたなのです。」
と言っています。
この言葉は、とても強い言葉です。
しかし、私はこれを、
「あなたの人生が悪いのは、あなたのせいだ」
という意味で受け取る必要はないと思います。
むしろ、
「あなたの中には、まだ自分で選べる部分がある」
という希望として受け取りたい言葉です。
過去は変えられません。
すでに起きた出来事を消すこともできません。
他人を思い通りにすることもできません。
しかし、
「これから何を考えるか」
「この出来事をどう受け止めるか」
「今日、何をするか」
については、自分で選べる部分があります。
その小さな自由を使うのです。
「もう遅い」と思っていた人が、
「まだできることがあるかもしれない」
と思う。
「自分には何もない」と思っていた人が、
「今から一つ学んでみよう」
と思う。
「人生は変わらない」と思っていた人が、
「まず今日の自分の思いを変えてみよう」
と思う。
この小さな方向転換が、人生を変える最初の原因になるかもしれません。
生涯をかけて「思いを育てる」という生き方
ここまで考えてくると、「思いを整えること」は、
一時的な自己改善ではないことが分かります。
それは、生涯をかけて続けられる自己教育です。
若いときも、
「どんな人間になりたいのか?」
と考える。
仕事をしているときも、
「どんな姿勢で仕事をするのか?」
と考える。
人生の後半になっても、
「これから、どんな人間として生きたいのか?」
と考える。
年齢を重ねても、
「今日、どんな思いを育てようか?」
という問いは残ります。
だから、「生涯現役」という生き方を考えるとき、仕事を続けることだけが現役ではないのかもしれません。
自分の心を育て続けること。
自分の人格を少しずつ磨き続けること。
よりよく生きようとすること。
これもまた、生涯現役の大切な姿ではないでしょうか。
何歳になっても、
「正しく生きよう」
と思うことはできます。
そして、
「正しく生きようと思うことそのものが、生涯にわたる自己教育の始まり」
なのだと思います。
まとめ~人生を変える第一歩は「今、自分は何を考えているのだろう?」
人生を変えたいと思ったとき、私たちは大きな変化を求めがちです。
仕事を変える。
環境を変える。
人間関係を変える。
何か新しいことを始める。
もちろん、それらも大切です。
しかし、その前に、もっと小さなところから始めることができます。
それが、
「今、自分は何を考えているのだろう?」
という問いです。
自分が何を考えているのかに気づく。
繰り返している思いを見つける。
その思いが、自分をどこへ連れていくのか考える。
必要なら、別の思いを選ぶ。
そして、その思いを小さな行動に変える。
その積み重ねが、
思い → 選択 → 行動 → 習慣 → 人格 → 人生
という流れをつくっていきます。
「自分には無理」と思えば、行動する前に可能性を閉じてしまうかもしれません。
でも、
「できるかもしれない」
と思えれば、方法を探し始めることができます。
そして、一歩を踏み出せます。
成功するとは限りません。
失敗することもあります。
それでも、行動したことで新しい経験が生まれます。
その経験から、また新しい思いが生まれます。
こうして人生は、少しずつ動き始めます。
ジェームズ・アレンの、
「いわゆる自分自身の限界は、思いが引いた境界線です。」
という言葉は、私たちに問いかけているのかもしれません。
「あなたは、自分の可能性を自分で狭めていないだろうか?」
そして、
「思いの作り手はあなたなので、自分自身や状況の作り手もあなたなのです。」
という言葉は、
「あなたの中には、まだ選べるものがある」
と教えてくれているようにも感じます。
人生のすべてを自分の思いどおりにすることはできません。
しかし、自分の思いを見つめることはできます。
そして、今日どんな思いを育てるかを選ぶこともできます。
だから、人生を変えたいけれど、何から始めればいいのか分からない人は、まず大きなことをしなくてもいいのです。
今日、ほんの少し立ち止まって、
「今、自分は何を考えているのだろう?」
と自分に問いかけてみる。
そして、
「私は、これからどんな思いを育てたいのだろう?」
と考えてみる。
そこから、一つだけ行動してみる。
その小さな一歩が、まだ見えていない未来への最初の一歩になるかもしれません。
思いは目に見えません。
けれども、思いは選択を生み、行動を生み、習慣を生み、やがて人格や人生に姿を現します。
だからこそ、毎日の思いを大切にする。
それは、今日を大切にすることであり、未来の自分を育てることでもあります。
人生を変えるために、まず自分の人生をつくっている「思い」に気づく。
そして、気づいた思いを少しずつ選び直していく。
それなら、人生のどの地点からでも始められます。
何歳からでも。
今日からでも。
「正しく生きよう」と思った、その瞬間からでも。