「自分の人生は、もう決まってしまった」
そんなふうに思ったことはありませんか。
長い間、うまくいかないことが続いている。
仕事も思うようにならない。
人間関係にも疲れている。
お金のことで悩んでいる。
何度やり直そうとしても、同じことを繰り返してしまう。
年齢を重ねるほど、「今さら人生を変えるなんて無理なのではないか」と思うこともあるでしょう。
そして、いつの間にか、
「自分はこういう人生を生きるしかない」
とあきらめてしまう。
でも、本当に人生はもう決まってしまったのでしょうか。
ジェームズ・アレンは、次のような言葉を残しています。
「人生に偶然はありません。
調和も不和も、あなたの思いに呼応してできたものです。
人が思いを抱けば、人生もそれにしたがって形作られるのです。
自分が置かれた環境は自分自身とは別物だと思うかもしれませんが、それはあなたの思いの世界と密接にかかわっています。
原因なくして起こることは何一つありません。
あらゆることには十分な根拠があるのです。
運命づけられたものはなく、すべてはあなた自身によって作られているのです。」
この言葉を初めて読むと、少し厳しく感じるかもしれません。
「すべて自分で作ったということなら、今の苦しみも自分の責任なのか」
そう思う人もいるでしょう。
しかし、ここで自分を責める必要はありません。
この言葉の大切なところは、
「人生は決まっているから、あきらめるしかない」という考え方から抜け出すこと
にあります。
過去は変えられません。
今いる環境も、すぐには変えられないかもしれません。
他人の心や行動も、自分の思い通りにはなりません。
それでも、まだ自分にできることがあります。
それが、
「これから、どんな思いを選ぶのか」
ということです。
人生を変える出発点は、案外遠くにはありません。
今日の自分の心の中にあります。
「人生はもう決まった」と思うと、未来まで決まってしまう
人生がうまくいかないとき、私たちは今の結果を見て、未来まで判断してしまいます。
「今まで失敗してきた」
だから、
「これからも失敗するだろう」
「今までお金がなかった」
だから、
「これからも貧しいままだろう」
「人間関係で何度も傷ついた」
だから、
「人を信じても、また裏切られるだろう」
というように考えてしまいます。
でも、ここには一つ問題があります。
過去の結果を、未来の原因にしてしまっているのです。
過去に何があったかは、今さら変えられません。
しかし、過去の結果を見て、これから何を思い、何を選び、何をするかは変えられます。
たとえば、過去に失敗した人が、
「自分は何をやってもダメだ」
と思い続ければ、挑戦することをやめてしまうかもしれません。
挑戦しなければ、新しい経験も生まれません。
新しい経験がなければ、人生の流れも変わりにくくなります。
反対に、
「前は失敗した。でも、何が原因だったのだろう。次は何を変えられるだろう」
と考えれば、次の行動が変わります。
小さな行動が変われば、少しずつ習慣も変わります。
習慣が変われば、自分自身も変わっていきます。
つまり、
思い→選択→行動→習慣→人格→人生
という流れがあるのです。
だからこそ、過去の結果だけを見て、
「人生はもう決まった」
と考える必要はありません。
過去の結果は、これまでにつくられた結果です。
これからの人生には、これからつくる原因があります。
思いは人生の設計図~目に見えない原因に目を向ける
私たちは、人生を変えようとすると、まず外側を変えようとします。
仕事を変える。
住む場所を変える。
人間関係を変える。
生活を変える。
もちろん、それが必要な場合もあります。
しかし、外側だけを変えても、自分の内側が同じままだと、似たような問題を繰り返すことがあります。
なぜでしょうか。
自分の思考や心の状態が、選択・行動・習慣・人間関係などを通して、少しずつ外側の人生を形づくいていくからです。
たとえば、
「どうせ自分には無理だ」
という思いを持っているとします。
すると、失敗を恐れて挑戦しなくなるかもしれません。
挑戦しないから、経験が増えません。
経験が増えないから、自信も育ちにくい。
そして、
「やっぱり自分には無理だった」
という思いが強くなる。
このように、
思いが行動を生み、その行動がまた次の思いを強くする
という循環が生まれます。
反対に、
「今はできなくても、少しずつ学ぼう」
と思えばどうでしょう。
小さな挑戦をする。
失敗したら学ぶ。
また少しやってみる。
すると経験が増えます。
経験が増えると、
「前より少しできるようになった」
という実感が生まれます。
その実感が、次の行動を生みます。
このように、
内側の思考が外側の行動を生み、その行動がまた外側の環境をつくり、
それが心に影響するという循環があります。
だから、思いは人生の設計図のようなものです。
設計図は目に見えません。
でも、その設計図に沿って家が建てられるように、
思いも時間をかけて行動や習慣となり、人生の形になっていきます。
「こんなことを考えたくらいでは何も変わらない」
と思うかもしれません。
一回の思いだけで人生が変わるわけではありません。
しかし、毎日繰り返す思いは、やがて心の習慣になります。
だからこそ、何を思うかは大切なのです。
人生を変えるなら、「結果」ではなく「今日の原因」を見る
私たちは、結果が変わることを待っています。
「いつになったら人生が良くなるのだろう」
「いつになったら成功できるのだろう」
「いつになったら幸せになれるのだろう」
でも、結果には時間がかかります。
種をまいた翌日に、大きな木になることはありません。
同じように、正しい思いを持ったからといって、
翌日に人生がすべて変わるわけではありません。
ここで大切になるのが、
「結果」ではなく「原因」を毎日見ること
です。
一日の終わりに、こう自分に問いかけてみます。
「今日は、どんな原因をつくっただろう?」
たとえば、
人に優しくできた。
約束を守った。
怒りそうになったけれど、一度黙って考えた。
面倒だったけれど、やるべきことを少し進めた。
失敗したけれど、そこから一つ学んだ。
不安だったけれど、今できることを一つやった。
これらは、すべて未来につながる「原因」です。
すぐに大きな結果が出なくてもかまいません。
大切なのは、
「私は今日、どんな人生につながる原因をつくったのか」
を見ることです。
この視点を持つと、人生を見る目が変わります。
結果が出ない日にも、意味を見つけられるようになります。
「今日は何もできなかった」
ではなく、
「今日は、あきらめない原因を一つつくった」
と考えられるからです。
人生を変えるというのは、ある日突然、人生が別のものになることではないのかもしれません。
毎日の小さな原因が、少しずつ人生の方向を変えていく。
だから、
「人生を変えなければ」と大きく考えるより、「今日の原因を一つ変えてみよう」と考える。
そのほうが、ずっと実行しやすいのです。
ネガティブな思いが浮かんでも、それを育てる必要はない
ここまで読んで、
「思いが人生をつくるのなら、悪いことを考えてはいけないのではないか」
と思うかもしれません。
でも、そんなに厳しく考える必要はありません。
人間ですから、怒ることもあります。
不安になることもあります。
人をうらやましく思うこともあります。
「もう嫌だ」と思うこともあります。
「自分なんてダメだ」と思ってしまうこともあります。
そうした思いが一度浮かんだからといって、人生が壊れるわけではありません。
大切なのは、
その思いを、そのまま育て続けるかどうか
です。
たとえば、誰かに嫌なことをされたとします。
最初に、
「腹が立つ」
と思う。
これは自然な反応です。
しかし、その後も何度もその人のことを思い出し、
「あの人は本当にひどい」
「絶対に許さない」
「また何かされたらどうしよう」
と考え続ければ、怒りや不安はどんどん大きくなります。
そして、心の中で何度も同じ出来事を再生することになります。
ここで、一度立ち止まります。
そして、
「私は、この思いをこれからも育てたいだろうか?」
と問いかけてみる。
「この怒りを持っている自分が苦しい」
と気づいたら、
「では、ここから自分にできることは何だろう」
と考えてみる。
相手を許せるかどうかは、すぐには決められないかもしれません。
でも、
「必要な距離を取ろう」
「これ以上、相手のことで自分の心をいっぱいにするのはやめよう」
「この経験から何を学べるだろう」
と考えることはできます。
つまり、思いのコントロールとは、最初に浮かんだ思いを無理やり消すことではありません。
次にどんな思いを育てるかを選ぶことです。
ここに、私たちの自由があります。
「人生を変える」のではなく、「今日の思いを一つ選ぶ」
「人生を変えたい」
そう思うと、何か大きなことをしなければならないように感じます。
仕事を変えなければならない。
大きな目標を立てなければならない。
生活を全部変えなければならない。
でも、本当にそこから始めなければならないのでしょうか。
もっと小さく始めてもいいのではないでしょうか。
たとえば、今日一日だけ、
「人のせいにする前に、自分にできることを考えてみよう」
と決める。
今日一日だけ、
「怒りを感じたら、一呼吸してから話そう」
と決める。
今日一日だけ、
「できない理由を考える前に、5分だけやってみよう」
と決める。
今日一日だけ、
「自分を責める言葉ではなく、自分を育てる言葉を使おう」
と決める。
このような小さな選択でもいいのです。
人生は、毎日の小さな選択の積み重ねだからです。
思いは目に見えない原因であり、行動や人生の状態は、その原因が時間をかけて形になったものです。
だから、今日の小さな思いも無駄ではありません。
「こんなことを考えたくらいでは何も変わらない」
と思わないことです。
一粒の種だけを見ても、そこに木の姿はありません。
しかし、種をまき、水を与え、時間をかけて育てれば、やがて芽が出ます。
思いも同じです。
今日の一つの思いだけを見れば、小さなものに見えます。
でも、それを毎日繰り返していけば、心の習慣になります。
心の習慣は行動を変えます。
行動が変われば、生活が変わります。
生活が変われば、少しずつ人生も変わります。
だからこそ、
「今日、どんな原因をつくるのか」
という問いが大切なのです。
思いを選ぶために、「私はどんな人として生きたいか」を決める
では、実際にどうすれば思いを選べるようになるのでしょうか。
一つの方法は、
「私は、どんな人として生きたいのか」
を考えておくことです。
たとえば、
「誠実な人でありたい」
「人に優しくありたい」
「困難から逃げずに生きたい」
「怒りに支配されない人になりたい」
「学び続ける人でありたい」
「失敗しても、また立ち上がれる人でありたい」
などです。
これは、自分の心の「方位磁針」のようなものです。
人生では、迷うことがあります。
腹が立つこともあります。
不安になることもあります。
誘惑されることもあります。
そんなとき、
「今の自分は、どちらを選べばいいのだろう」
と迷います。
そのとき、
「私は、どんな人として生きたいのか」
という問いがあると、選ぶ方向が見えやすくなります。
たとえば、
「相手を言い負かしたい」
という思いが出てきたとき、
「私は誠実な人として生きたい」
と思い出せば、言葉を選び直せるかもしれません。
「もう何もしたくない」
と思ったとき、
「私は学び続ける人でありたい」
と思い出せば、ほんの少しでも机に向かえるかもしれません。
この小さな選択が、人格を育てます。
そして、人格が人生を形づくっていきます。
人生の後半からでも、新しい原因はつくれる
「でも、もう遅いのではないか」
そう思う人もいるでしょう。
若いころから同じ考え方をしてきた。
何十年も同じ習慣を続けてきた。
もう性格は変わらない。
もう人生は決まっている。
そう思ってしまうかもしれません。
しかし、今日の思いまで過去によって決められているわけではありません。
過去の習慣が強ければ、変えるのに時間がかかることはあります。
長年続けてきた考え方を、一日で全部変える必要もありません。
大切なのは、
「今日、新しい原因を一つつくる」
ことです。
今まで人のせいにしていたとしても、今日は一度だけ、
「自分にできることは何だろう」
と考えてみる。
今まで怒りに反応していたとしても、今日は一度だけ、一呼吸してみる。
今まで諦めていたとしても、今日は小さな一歩を踏み出してみる。
それだけでも、新しい原因です。
そして、その原因を何度もつくっていく。
すると、新しい習慣が育っていきます。
だから、何歳になっても、
「正しく生きよう」
と思うことはできます。
そして、その思いそのものが、生涯にわたる自己教育の始まりになります。
過去の自分を否定する必要はありません。
過去から学びながら、
「これからは、こう生きてみよう」
と選び直せばいいのです。
「人生は決まっていない」~今日の思いから未来は変わっていく
ジェームズ・アレンは、
「運命づけられたものはなく、すべてはあなた自身によって作られているのです。」
と語っています。
これは、
「人生で起こるすべての出来事を、自分の力だけで自由に決められる」
という意味ではないでしょう。
私たちは、自分では選べない環境の中で生きています。
他人の行動を自由に変えることもできません。
突然起こる出来事を、すべて防ぐこともできません。
それでも、その中で、
自分は何を思うのか。
何を大切にするのか。
どう受け止めるのか。
次に何をするのか。
という選択があります。
ここに、自分の人生を生きる力があります。
だから、
「人生はもう決まってしまった」
と思ったときには、こう問いかけてみてください。
「本当に、今日の私の思いまで決まっているのだろうか?」
過去は決まっています。
しかし、今日の思いは選べます。
今日の行動も選べます。
今日つくる原因も選べます。
そして、その原因が明日の自分につながっていきます。
人生は、過去の結果だけでできているのではありません。
過去の結果と、これからつくる原因の両方によって、少しずつ形づくられていくものです。
だから、今までの人生が思うようにならなかったとしても、それだけで未来まで決まったわけではありません。
まとめ 人生を変える第一歩は、今日の思いを一つ選ぶこと
「自分の人生はもう決まってしまった」
そう感じることがあるかもしれません。
これまでの失敗。
これまでの苦しみ。
これまでの人間関係。
これまでの環境。
それらを見ていると、
「これからも同じだろう」
と思ってしまうことがあります。
しかし、ジェームズ・アレンの言葉は、そこに別の視点を与えてくれます。
「人生に偶然はありません。
調和も不和も、あなたの思いに呼応してできたものです。
人が思いを抱けば、人生もそれにしたがって形作られるのです。
自分が置かれた環境は自分自身とは別物だと思うかもしれませんが、それはあなたの思いの世界と密接にかかわっています。
原因なくして起こることは何一つありません。
あらゆることには十分な根拠があるのです。
運命づけられたものはなく、すべてはあなた自身によって作られているのです。」
人生には、すぐには変えられないものがあります。
だからといって、すべてをあきらめる必要はありません。
自分の思いに目を向ける。
思いから生まれる行動に目を向ける。
今日、自分がどんな原因をつくっているのかを見てみる。
そして、
「私は、この思いを育てたいだろうか?」
と自分に問いかける。
もし違うと思ったら、別の思いを選んでみる。
それでいいのです。
人生を一日で変える必要はありません。
未来を全部決める必要もありません。
今日一日、少しだけ違う思いを選ぶ。
今日一日、少しだけ違う行動を選ぶ。
今日一日、未来につながる原因を一つつくる。
その積み重ねが、やがて自分自身を変えていきます。
思いは、目には見えません。
だから、その大切さに気づきにくいものです。
でも、思いは行動を生み、行動は習慣を生み、習慣は人格を育て、人格は人生の方向をつくっていきます。
だからこそ、思いを大切にすることは、自分の人生を大切にすることなのです。
もし今、
「自分の人生はもう決まってしまった」
と思っているのなら、どうか今日の自分を見てください。
今日、何を思うかは、まだ選べます。
今日、何を大切にするかも選べます。
今日、どんな原因をつくるかも選べます。
人生を変えるために必要なのは、最初から大きなことをすることではありません。
まずは、
「私は今日、どんな思いを選ぼうか」
と考えてみること。
そこから、新しい人生への一歩が始まります。
人生は、もう決まってしまったのではありません。
あなたが今日からつくる一つ一つの原因によって、これからも形づくられていくのです。