すべてのカモメにとって、重要なのは飛ぶことではなく、食べることだった。
だが、この風変わりなカモメ、ジョナサン・リヴィングストンにとって重要なのは、食べることよりも飛ぶことそれ自体だったのだ。
その他のどんなことよりも、彼は飛ぶことが好きだった。
リチャード・バック著「かもめのジョナサン」(新潮文庫)からの引用です。
飛ぶことを食べるための手段として捉えるのではなく、飛ぶことそのものを目的とした、かもめのジョナサンは群れの仲間からは理解されることなく、その群れから追放されます。
私たちが生きる世界においても同じようなことが見受けられます。
エジソンは自らの抑えがたい好奇心ゆえに学校を追放されました。
吉田松陰はその誠心誠意な言動ゆえに処刑されました。
しかし、彼らのような誰もが知る偉人・英雄だけの話でしょうか。
私はそうは思いません。
学校でも、会社でも、家庭でも、地域でも・・・今まさに生きている私たちの目の前で、こうしたことを経験していると思うのです。
自分自身がジョナサンになることもあれば、群れのカモメになることもあるのではないでしょうか。
誰しもがふとした時に「人生このままでいいのだろうか」と思う時があるでしょう。
そうした時に、この「かもめのジョナサン」を手に取ってみて頂きたい。
自分も他人も「本当に好きなこと」から目を背け続けてきてしまっただけなのかもしれません。
だって、人が心から笑えている時ってどんな時ですか?
愚痴を言っている時じゃないはず。
怒り狂っている時じゃないはず。
あなたやあなたの家族に同僚、部下、上司、近所の人・・・みんな、心から笑えている時はリラックスして自分を外に出せている時。
年齢も経験も全然違うのに、お互いに心から笑える時間を共有できる時は確かにある。
それは、それぞれの生きてきた時間の長さは違っていても、その中で、「本当に好きなこと」をした記憶がわずかでもみんなあるから。
自分が「本当に好きなこと」と相通じるものを、お互いの言動の中で無意識で感じることが出来るから。
だから、職業が違っても、性別が違っても、年齢が違っても、リラックスしてお互いに自分自身を外に出して、心から笑える時間を共有できる時があると思うのです。
生涯現役で幸せな成功を目指す時、自分が心から笑えるための条件って何だろうと考えてみることは大切です。
人によっては好きなことで食べていけるわけではないと言うでしょう。
その通りです。
好きなことだけをして生きていけるわけではありません。
でも、本当に好きなことをしなければ、心から笑うことが出来なくなるのです。
普段の生活の中で家族も仕事も関係なく、自分が本当に好きなことをしている時間を取れていますか?
家族や友人の本当に好きなことを大切にしてあげていますか?
「人生このままでいいのだろうか」・・・あなたやあなたの大切な人が立ち止まる時、かもめのジョナサンと一緒に本当に好きなことは何かを考えてみるのもいいかもしれません。
心から笑える時間を少しでも多くするために。
お読み頂きありがとうございました。